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1.フレッチャ・ロッサ(Frecciarossa)

“赤い矢”の意味を持つフレッチャ・ロッサは、トリノ(Torino)−サレルノ(Salerno)間を、最高時速300kmで結ぶ高速列車で、ミラノ(Milano)とローマ(Roma)間約600kmをノンストップで運行する場合は、所要時間2時間55分となっている。席の種類は、グレードの低い方からスタンダード、プレミアム、ビジネス、エクゼクティブの4つのクラスがあり、全11車両のうち、会議室があるエクゼクティブクラスが1両、4席のサロンが2つと防音エリアがあるビジネスクラスが3両、プレミアムクラスが1両、スタンダードクラスが5両、バー・レストランが1両という構成で、バー・レストラン車両は列車中央の5号車となっている。
(フレッチャ・ロッサ) (メニューとテーブル)

食堂車は、昼食と夕食時に利用が可能で、20ユーロ前後のコース料理から5〜15ユーロの一品料理やデザート、ワイン等の飲み物も揃っている。また、エクゼクティブクラスの乗客への特別サービスとして、イタリア各州の郷土料理が出され、メニューは2週間毎に変わるようになっている。食堂車にはバールも併設されており、飲み物や簡単な料理などを 食べることができる。

ローマ(Roma)−ヴェネチア(Venezia)や南部のレッチェ(Lecce)あるいはレッジョ・カラブリア(Reggio Calabria)を結ぶ、"銀の矢"の意味を持つフレッチャ・アルジェント(Frecciargento)の全線、及びミラノ(Milano)を中心にヴェネチア(Venezia)・アンコーナ(Ancona)・バーリ(Bari)などの都市を結ぶ、"白い矢"の意味を持つフレッチャ・ビアンカの 一部を除く路線にて同様な食堂車の利用が可能となっている。

イタリアの国有鉄道(FS=Ferrovia dello stato)が運行する路線のなかで、食堂車があるのは、 このフレッチャ・ロッサ、フレッチャ・アルジェント、フレッチャ・ビアンカが走る路線のみとなっている。

(フレッチャ・アルジェント) (フレッチャ・ビアンカ)
なお、食堂車にはスーツケースなどの大きな荷物の持ち込みは許可されていない。
犬については、食堂車に入ることは禁止されているが、盲導犬は許可されている。
2.イタロ(Italo)

現在イタリアには国有鉄道のほかに、2006年に設立された民間会社(NTV=Nuovo Trasporto Viaggiatori)が運営する高速列車が走っている。当初はフィレンツェ(Firenze)−ローマ(Roma)間で運行していたが、2012年よりミラノ(Milano)−ナポリ(Napoli)間の路線を持ち、列車はイタロ(Italo)の名前で呼ばれている。
(Italo外観)
席の種類は、グレードの高いほうから、座席にテレビが付き、サロンの使用も可能な クラブ(Club), Wi-Fiの無料利用でゆったりとした席の利用が可能なプリマ(Prima),  エコノミーなスマート(Smart)に分かれる。
Italo車内には食堂車はないが、飛行機内でのサービスのように、車内スタッフが座席まで食べ物を運んでくるというサービスをおこなっている。このサービスは、昼食時間である12:30〜14:30、夕食時間である19:30〜21:30の間にイタロ・ボックス(Italobox)と呼ばれる軽めの食事がセットになったものを、全座席クラスにて購入することができる。ただし、ワインやコーヒーの注文は、スマートクラスでは不可であり、クラブあるいはプリマのクラスの人のみ注文可能。イタロ・ボックスは、日本のお弁当箱にヒントを得て作られたものだと言われている。
(Italoboxの例)

国有鉄道と民間鉄道は、車両内での食事に関して、それぞれ独自色を出したメニュー構成とサービス内容を打ち出しているが、コーヒー(エスプレッソ)だけは双方ともイタリアメーカーであるイリィ(Illy)を使っている。

アルタ・ヴェロチタ(Alta Velocità)と呼ばれる高速列車普及と食堂車の充実の陰では、イタリア国内200箇所以上の駅を結んでいたインターシティー(InterCity)から食堂車が消えて、ワゴンでの車内販売になり、古いユーロシティー(EuroCity)の食堂車は、食べ物や飲み物の自動販売機に取って替わられている。この事は、2008年に国有鉄道の代表者であったマウロ・モレッティ(Mauro Moretti)氏が、”我々は食堂車に関わる事業において、数百万ユーロ(数億円)の赤字を抱えている。現在、違う形態でのサービスを提供するために、新たな入札を行っている最中である” と発言していたように、国有鉄道の食堂車については、事業の効率化と集中を進めた結果であると言える。

1両をまるまる食堂車にするよりは、客車とした方が利益は上がるであろうし、Italoのように、食堂車は設置しないが、簡単な食事を飛行機方式で提供することで、顧客に対する最低限の要求に応え、国有鉄道との乗客獲得競争や利益の確保に努めていると言える。

また、鉄道の高速化は食堂車にとっては逆の作用が働いていると言える。例えば、昔のようにミラノ−ローマ間の所要時間が6時間の場合には、ゆっくりと食事を楽しむ時間もあったが、3時間を切る今となっては、少し眠っただけでも目的地に着いてしまう時間であり、食堂車で時間を潰す必要もない。

どれだけの数の乗客が食堂車を利用しているのかについての統計資料は見つからなかったが、実際に乗車した中での経験では、特に昼食時間においてはパンや果物などを持ち込んで食べている人が多く、食堂車を利用する乗客の率は大きいようには感じられない。

3. 市電レストラン

ミラノ市内を走る電車を改造して、ミラノの公共交通会社であるATMが、レストランのサービスを提供している。これは、実際にミラノ市内を走りながら食事を楽しめるもので、トラム・リストランテ(Tram ristorante)と呼ばれている。
(トラム・リストランテ外観) (車内の様子)

ATMでは現在2車両をこのレストラン・サービスに充てており、客席数はいずれも24席 (4人掛けテーブル4台、2人掛けテーブル2台)。昼食・夕食共に利用可能であるが、昼食の場合には、車両全体を予約しなければならない。走行時間は、昼食・夕食共に約2時間。
完全予約制で、電話かメールにて予約を取らなければならない。最大で75日先の予約まで可能で、遅くとも希望日前日の19:30までに予約する必要がある。

料金は、選ぶメニューに関係なく1人65ユーロ(約9,000円)。この料金には、料理4皿と、水・コーヒー及び2人あたりワイン1本が含まれる。大きく分けて、魚・肉・ヴェジタリアンの3コースが用意されている。料金は遅くとも予約日の15日前までに支払いされなければならない。

インターネット上の評判を見ると、実際にこのレストランで食事をした人で、評価を書き込んだ114人のうち、“最高”が51人・“とても良い”が41人という結果となっており、 かなり評価が高いと言える。食事の美味しさ・量の多さと共に、やはり特別な雰囲気の中で食事を楽しめることが、高評価に繋がっている。

市電の走行コースは毎回同じで、19:45にカステッロ広場(Piazza Castello)に集合の後、 20:00に出発となっているので、終了はおよそ22:00頃となる。

以上
 
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