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1. ヘルパー
高齢者、特に日常生活において介護が必要な人にとってヘルパーは不可欠な存在である。
イタリアでは、ヘルパーはColfあるいはBadanteと呼ばれる。
この章では2008年にIstituto per la ricerca sociale(社会研究所)により発表されたBadanti: La Nuova Generazione(新しい世代のヘルパー)という調査結果に基づきヘルパーの現状を見てみる。

2008年時点において、イタリアでは約77万4千人のヘルパーが働いていると推定されており、そのうち約70万人が外国人である。全国平均では、65歳以上の高齢者の6.6%がヘルパーを利用しており、利用率の高いイタリア北部においては約65歳以上の10%がヘルパーを利用している。

一年間にヘルパーに支払われる報酬は、総額で93億5千2百万ユーロ(約1兆3百億円)にのぼると推定され、この金額はイタリア全州の保険・衛生費用の10%に相当する。

ヘルパーの約三分の一が正式な労働契約を所持して働いているが、残りの三分の二に関しては、イタリアでの滞在許可書を取得できない不法滞在者、あるいは不定期に滞在している外国人となる。高齢者介護の大部分が、法的に問題のある外国人に支えられているのが現状となっている。

(外国人ヘルパーの労働状況)
●不法・不定期滞在 43% 300,000人
●滞在許可書あり・労働契約なし(所得申告なし)      24% 168,000人
●正規労働 33% 232,000人
 
合計
700,000人

外国人ヘルパーの出身国は、東欧57.3% 南米34.2% アフリカ4.6% アジア3.9%の順となっている。近年特に増加しているのが、ルーマニア女性ヘルパーであり、外国人ヘルパーの約39%を占めている。欧州連合加盟国の国民は、イタリア入国がフリーであり、三ヶ月の滞在が許されているうえ、その後に居住証明と収入証明(年間5千61ユーロ以上)を提出することにより滞在を延長できることが、ルーマニアからの移民増加に繋がっている。

(外国人ヘルパー出身国トップ5)
●ルーマニア 38.9%
●ウクライナ  27.8%
●ペルー 5.6%
●モルドバ 5.6%
●ボリビア 4.2%

外国人ヘルパーの近年におけるもう1つの傾向として、若年化があげられる。
2005年以前の平均年齢42歳に対して、2005年以降は37歳と推定される。

(外国人ヘルパー平均年齢)
●29歳以下 33.3%
●30〜39歳 15.3%
●40〜49歳 23.6%
●50歳以上 15.3%

また、2005年以前と比較した場合に、住み込みヘルパーの割合が減少している。
2005年以前に住み込みの割合が70.4%であったのに対して、それ以後は65.4%と推定されている。これは、住み込み条件による自由時間の減少が敬遠されるほか、下記のように、住み込みによる収入が時間給と比べて必ずしも多いとは言えないことにもよる。

(外国人ヘルパー月額平均報酬)
住み込み(固定給)
時間給(一日6時間以上)
●750ユーロ未満
14.8%
21.7%
●750〜1,000ユーロ
73.7%
52.6%
●1,000ユーロ以上
11.5%
25.7%

外国人がヘルパーとして働き始める動機については、以下の通り。

●仕事を見つけるのが容易・見つけられた唯一の仕事 44.3%
●報酬が良い・国に送金できる 22.2%
●ヘルパーの仕事が好き 16.8%
●知人からの推薦 8.6%
●その他 8.1%

イタリアが、高齢者介護を外国人ヘルパーに依存する体制・制度を変えられない以上、移民政策や雇用契約問題など、解決すべき問題は多い。
2. 健康関連
統計資料については、ISTAT(イタリア国家統計局)発表に基づきます。

(病気)
2010年度における高齢者の糖尿病罹患率は以下の通り。
  65〜74歳 75歳以上 各年齢全体平均
男性 12.6% 19.2% 4.5%
女性 13.1% 20.2% 5.2%
75歳以上になると、罹患率が大幅に増加する傾向にある。

同じく2010年における心臓病を持病としている率は以下の通り。
  65〜74歳 75歳以上 各年齢全体平均
男性 13.3% 18.1% 4.0%
女性 7.7% 14.5% 3.4%
女性よりも男性に、またより高齢な人に多く見られる。

また、骨粗しょう症についての統計は以下の通り。
  65〜74歳 75歳以上 各年齢全体平均
男性 4.5% 10.8% 1.7%
女性 31.9% 45.3% 12.0%
やはり男性よりも女性に多い傾向にあるが、特に75歳以上の女性の約半分近くが、この病気を患っていることになる。

(喫煙率)
2010年度における高齢者の喫煙率は以下の通り。
  65〜74歳 75歳以上 各年齢全体平均
男性 17.5% 9.9% 29.2%
女性 10.5% 3.8% 16.9%
10年前の2000年度との対比では、男性はどの年齢帯においても喫煙者が減少しているのに対して、女性は65歳以上の年齢帯は増加しているという興味深い結果となっている。

(健康状態の自己診断)
2010年度において、高齢者が自身の健康状態について申告している結果は以下の通り。
  65〜74歳 75歳以上 各年齢全体平均
非常に良い 3.1% 2.0% 20.1%
良い 35.7% 20.1% 50.6%
良くも悪くもない 48.2% 51.3% 23.5%
悪い 11.2% 21.9% 4.9%
非常に悪い 1.8% 4.6% 0.9%
自身の健康状態が悪い、あるいは非常に悪いと考えている高齢者は、意外と少ないと言える。
3. 運動
2010年度における高齢者の運動状況は以下の通り。
65〜74歳 75歳以上
継続的に運動をしている 9.8% 3.5%
たまに運動をしている 5.3% 2.0%
ごく稀に体を動かしている 37.6% 25.9%
体を動かさない 0.3% 0.4%
回答なし 47.0% 68.2%
同様の内容にて2001年度の統計資料と比べると、65〜74歳で継続的あるいはたまに運動をしていると答えた人は、それぞれ4.4%と2.4%であり、75歳以上の場合はそれぞれ1.4%と1.3%という結果になっており、高い頻度で運動している高齢者が増加している。
4. パソコン
2002年度と2010年度の比較で、過去一年間でパソコンを使用した高齢者は以下の通り。
65〜74歳 75歳以上
2002年 3.7% 0.8%
2010年 13.7% 2.7%

また、同時期にインターネットを利用したことのある高齢者は以下の通り。
65〜74歳 75歳以上
2002年 2.3% 0.9%
2010年 12.1% 2.0%
5. 余暇
高齢者の余暇の過ごし方についてのアンケート結果(複数回答あり)に基づき、回答率の高い順番に挙げてみる。

●テレビ鑑賞 = 50%以上の人がテレビ鑑賞を挙げている。
●読書 = 40%を超えている。男性比率のほうが高い。
●散歩 = これも40%越え。老いも若きもイタリア人は散歩好き。男性比率が高い。
●親類・孫と過ごす = 30%近い人が回答。女性比率のほうが高い。
●友人と過ごす = 約25%
●裁縫 = 約20%。女性比率が高い。
●文化活動 = 約10%
●スポーツ = 約10%。 男性比率が高い。
●ボランティア = 約9%
●映画館・美術館 = 約9%
●バール = 約2% 男性比率が高い。数字が意外と低いように感じられる。
6. 年金生活
年金生活以前と年金生活に入ってからの暮らしについて、高齢者はどのように感じているのか。

  改善された 変わらない 酷くなった
75歳未満 36% 32% 22%
75歳以上 23% 31% 36%
より高齢者になるほど、日常生活への不満が高くなる結果となっている。

男女別での比較については、女性の不満のほうが高い。
  改善された 変わらない 酷くなった
男性 35% 34% 24%
女性 27% 31% 32%

年金生活の満足感が高い高齢者の傾向として、以下があげられる。
●カップルで暮らしている。
●健康状態が良い
●家の外でなんらかの活動をしている。
●歳を気にしない。
●経済的な心配がない。
以上
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