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 イタリアでは公共交通機関がそれほど充実しておらず、ローマやミラノのような大都市でさえ地下鉄網は乏しく、街中を少し離れれば交通が不便なため、日常生活における車の必要性は高く、基本的に車社会の国である。
1. 乗用車保有台数

 ACI(Automobile Club d'Italia = イタリア自動車クラブ)の統計によるイタリアの乗用車保有台数(バス・貨物トラック等を除く)は以下の通り。

年度
台数
千人あたりの台数
2004
33,931,882
581
2005
34,629,940
590
2006
35,258,702
596
2007
35,647,240
598
2008
36,070,621
601
2009
36,341,122
602
 参考までに、2010年における日本の乗用車保有台数は、約57,903,000台で、千人あたりの台数は、454台となっている。

2009年度において、千人あたりの保有台数が最も多い州は、ヴァッレ ディ アオスタ州の1,099台で、最も少ない州が、リグーリア州の518台。

住人5千人以上の市町村において、千人あたりの保有台数が最も多いのは、スカンディチ(トスカーナ州、フイレンツェ県)の2,155台で、その他4つの市が1,000台を超える。他方、最も少ない台数が、カプリ(カンパーニャ州、ナポリ県)の193台となっている。
2.交通事故
 同じくACIの統計による2009年度のイタリアでの交通事故数は、215,405件。
事故による死亡者数は4,237人、負傷者数は307,258人。ロンバルディア州(事故件数40,100件)、ラッツィオ州(28,186件)、エミリア・ロマーニャ州(20,411件)の3州で事故件数全体の40%を超えている。死亡者数は1980年の8,537人をピークとして、近年いくらかの増減はあるものの、ここ数年は4千人台に減少している。
(日本の2009年度における交通事故死亡者数は、4,914人)

1997年、水道局とヴェネチア・ヌオヴァ審議会は、プローディ首相により任命された5人の国際的識者によりモーゼ計画が環境に及ぼす影響は少ないとの評価がされた報告書を提出。しかしながら同年、環境省の環境評価委員会により、環境への影響が大きいとの報告がなされたため、モーゼ計画は新たな調査を余儀なくされた。
2001年、アマート首相率いる閣議は、モーゼ計画が及ぼす環境への影響に関する審議を結論づけ、計画におけるいくつかの問題点を解決することを条件に、計画実行へのゴーサインを与えた。2002年にヴェネチア・ヌオヴァ審議会は、交通省と港湾局の要求を取り入れた最終計画書を提出。同年、CIPE(Comitato Interministre per la Programmazione Economica = 経済計画省庁間委員会)は、最初の工事となる2002〜2004年の三ヵ年事業に対して、4億5千3百万ユーロ(約500億円)を供出。2003年にはベルルスコーニ首相による起工式によりモーゼ計画最初の資材製造所が造られた。

3.運転免許
 運転免許(Patente della guida)には、A1, A, B, C, D, BE, CE, DEなど日本と同じような対象車両によるカテゴリーがあり、Bが普通乗用車免許に相当する。
カテゴリーBの免許取得可能年齢は18歳以上で、学科・実地試験合格者に与えられる。
有効期限は50歳の誕生日まで10年間、51〜69歳が5年間、70〜79歳が3年間、80歳以上が2年間となっている。

イタリアで発行された免許証で、EU加盟国内を自由に運転することができる。
EU加盟国以外の国民について、イタリアに1年以上居住する者は、その国の運転免許からイタリアへの運転免許の書き換えが義務となっている。従って、イタリア居住暦が1年を超える者が、日本で発行された国際免許証でイタリア国内を運転するのは不可となる。


▲イタリアの運転免許証
4.駐車場問題
 イタリア国内の大きな街の中心部で車を停める場所を見つけるのは非常に困難である。
車を購入する際に、日本では車庫証明が必要となるが、イタリアにおいては不要であり、道路上に駐車することを前提に車を購入するケースも多いため、道路は常に駐車された車で溢れている。イタリアの行政も、駐車問題を根本的に解決する方向ではなく、違反者からの罰金を取ることに眼が向いている感がある。

空港などでよく見られる立体式駐車場や、街中の私営あるいは公営のガレージ以外に、道路上に色のついた線を引いて駐車場としている場所が多い。

● 白線 = 無料駐車場
● 青線 = 有料駐車場(時間あたり)
● 黄線 = 付近住民専用駐車場

の区別となっている。

▲青線(有料)駐車場の例

▲予定駐車時間分の駐車券を購入し、ダッシュボードの上に置く
● 駐車違反問題について
青線駐車場は有料のため、駐車券を購入しないで、あるいは時間を過ぎて駐車した場合には罰金の対象となる。ところが最近、この罰金自体が無効であるとの論争が起きている。
イタリアの道路法第3条第7項が、有料駐車場はCarreggiata(車道)内に作ることはできない、と規定しているのが発端となっている。

▲車道の範囲説明
最上部写真の青線駐車場は、明らかに車道内に作られており、道路法違反となる。
青線駐車場の設置は、各市町村でおこなっており、イタリアの車社会に対する行政の曖昧さが垣間見られる例となっている。
5.排気ガスによる公害対策
A. 自動車の改良
欧州では1970年代に自動車排気ガス規制の設定をおこなっており、世界の中でも排気ガスの規制については厳しくなっている。自動車の排気ガスに含まれている一酸化炭素・窒素酸化物の削減を目的とした規制は1992年に"ユーロ1"という呼称で導入され、年々規制が厳しくなってきており、現在は"ユーロ5"の段階まで導入されている。2014年には"ユーロ6"の規制数値を、自動車製造業界はクリアしなければならない。
B. 補助金の支給
イタリアでは環境問題対策の一環として、排気ガス規制の緩い時代に生産された車(ユーロ0〜2 クラス)からユーロ4あるいは5への買い替えに対して、ケースに応じて1,500〜5,000ユーロの補助金を支給している。ミラノの街中を走るタクシーの車種の中で、トヨタのハイブリッド車であるプリウスが急に増えたのも、このような補助金の影響があると思われる。
C. 車番規制
最近はあまりおこなわれていないが、数年前までミラノにおいて、ある曜日には車番の末尾が奇数・あるいは偶数の車のみ走行が許可される規制がおこなわれていた。通勤時の混雑を避け、排気ガスによるスモッグ対策として実施されていた。
D. エコ・パス = Ecopass
ミラノにおいては、街の外側から外環状線・中環状線・内環状線と呼ばれる環状道路が走っているが、ミラノ中心部(内環状線より内側)の排気ガス対策として、エコ・パスと呼ばれる制度を導入している。対象となる範囲は、ミラノ市街181km平米のうち8.2km平米に及ぶ。

これは自動車排気ガス規制クラスによって区別され、祝祭日及び土日を除く平日の07:30から19:30の時間帯に対象となる地域を走る車は、その排気ガス規制クラスに従って、走行不可能・料金の支払いによる走行・無料走行に分けられる。

例えば、乗用車で排気ガス規制前に生産されたガソリン車(ユーロ0)及び、ディーゼル車で、ユーロ0〜2のクラスは走行不可となっている。その他の車は、クラスにより一日2〜10ユーロの料金を支払って走行可となり、支払いがなされなかった場合には、一回につき70ユーロの罰金となる。内環状線の出入口には監視カメラが並び、不正走行ができないようにしている。ハイブリッド車やGPL車、あるいはガソリン乗用車でユーロ3以上のクラスについては、無料にて走行することができる。
E. カーシェアリング
自家用車の台数を減らし、排気ガスの排出量を抑える目的で、車に乗る必要がある場合に皆で車を共用しようとする動きが、2000年の初め頃からイタリアでも出てきている。
環境省と各市が先導する形で、カーシェアリングが徐々に増えてきている。


現在イタリアにおいてカーシェアリングのサービスがある市は、ボローニャ・ブレ−シャ・フィレンツェ・ジェノヴァ・ミラノ・パドヴァ・パレルモ・パルマ・ローマ・サヴォ−ナ・トリノ・ヴェネチアとなっている。


ミラノの場合を見ると、2001年にサービスが開始されており、2011年現在においては、ミラノ市交通局(ATM)の管理のもと、使用可能車数117台、66箇所のパーキングで約3,700人が登録利用者となっている。ちなみに、イタリア全土では、車数587台、パーキング数392箇所、利用者約17,300人となる。


料金は、年会費・時間あたり料金・距離あたり料金により構成されている。
年会費は120ユーロ、時間・距離による料金は車種や利用時間帯及び走行距離により細かく規定されているが、時間あたり料金は1〜3.2ユーロ、距離あたり料金は0.15〜0.80ユーロの範囲で設定されている。
F. 自転車シェアリング
ミラノ市内の外環状線内において、通勤あるいはその他の用件で短時間の移動が必要な人のために、自転車を共用するBikeMiと呼ばれる仕組みがミラノ市とミラノ交通局の先導で行われている。約200箇所の駐輪場が設置されており、目的地に近い駐輪場での返却が可能。自転車とその他公共交通機関による移動を進め、車の使用を減らすことを目的の一つとしている。

年間会費は36ユーロ。基本的に最大2時間までの利用が可能で、30分までは無料。
以後30分毎に0.50ユーロがかかる。

▲BileMi 駐輪場
G. ノーカーデー
スモッグの状況が悪化した場合に、一日(08:00〜20:00)街の中心地における車の運行を禁ずる場合がある。仕事に影響の出ない日曜日が対象となり、ミラノでも10月に一度実施されている。ミラノは欧州の中でもスモッグによる大気汚染が最も酷い街であり、イタリアのある研究所の発表では、スモッグによる年間の死者は、ミラノで93人という発表を最近おこなっている。
6. 車検
 イタリアにおいても車検制度(Revisione)が存在する。
自家用車の場合、新車は登録後4年以内、それ以降は2年毎の車検が必要となる。
9人乗り以上のバスや、タクシー、積載量が3.5トンを超えるような貨物車については、毎年の車検が必要。


車検の期限が過ぎていることが発覚した場合には、155〜624ユーロの罰金となり、再犯の場合にはその罰金の2倍が徴収される。罰金のみならず、その車は車検が済むまで動かすことはできない。また、車検切れの車は保険が適用されない。
7.事故報告書

 交通事故を起こした、あるいは事故を起こされた場合の保険処理のための手段の一つとして、事故報告書(Denuncia di sinistro)というシステムがある。事故の被害者・加害者が、事故の起きた経過や場所、被害の状況などについて書き込み、双方の署名をもって報告書とするもので、後は保険会社の対応により処理される。保険の申し込みをおこなうと、保険証書と一緒に配布されるので、ほとんどの車にこの事故報告書の書式が常備されている。

接触事故の多いイタリアでは、合理的な手段であり、街中で事故の当事者達が報告書の書き込みをしているのを見るのは、珍しくない。ただ、身体的に大きな怪我がなく、事故の原因や被害状況の認識に、双方の合意がある場合に使用されるのが問題のない処理方法であって、大きな怪我や加害者側が過失を認めないようなケースにおいては、安易に署名しないで、警察を呼ぶことが大切になる。

8.高速道路

 イタリアの高速道路(Autostrada)は、2009年末の時点において、総距離約6,660kmに及んでいる。最初の高速道路が開通したのは、1924年9月21日で、MilanoとVarese間を結ぶものであった。


▲イタリアの高速道路網
高速道路の運営は、ANAS S.P.A.(Azienda Nazionale Autonoma delle strade =ANAS株式会社)がおこなっている。民間企業の形態を取っているが、唯一の株主はイタリア経済省であり、イタリア交通省の監督下において運営をおこなっている。

1973年以前は、最高速度に関する標識は存在していなかったが、現在においては特殊車両や貨物車を除き、130kmとなっている。(条件により部分的に150kmにするという話が出たが、まだ実際には導入されていない)

高速料金の支払い方法は、現金・クレジットカード・VIA CARD(前払いカード)・Telepass(日本のETCに該当)がある。
以上
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