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1.イタリアにおける稲作の歴史
 アラブ人はシチリアに米を持ち込んだが、稲作自体は持ち込まなかった。 西暦250年頃から長年に渡る努力により、カタ−ニャから遠くないシラクーサやレンティーニ平野において稲を移植させようとの試みがあったのは、充分に有り得そうなことである。 あるいはカラブリア内部のシバリス近郊に稲を移植させようとする試みがあったことも想像できる。 しかし、試み以上のものにはならなかった。何世紀にも渡って誰も稲作を成功させることができなかったため、商人は米を輸入してきた。

 最初の稲作は、アラゴン王国のアルフォンゾによるナポリ王国征服後の15世紀にアラゴン王国民により始められたと考えられている。その一方で、哲学者でありギリシャ文学者であるシモーネ・ポルタによれば、最初の稲作はサレルノ領内に見られたとのことである。実際問題として、何処で最初の稲作がおこなわれたかについては、諸説が多く存在しており、クロトーネ、サン・エウフェミア、カステッラマ−レ、コセンツァ、ヴィテルボなどの街があげられている。

 これらの事をどう考えるべきか。恐らく中世において米は、イタリア南部の修道院や菜園内で薬草として最低限の量だけ作られていたのだと思われる。西暦1300年代までこのアジア起源の植物は高額な輸入税が課されていた − まだイタリア産の米については話にも出ない時代である。実際、1371年に公布されたミラノ公国の勅令の中で、米は "外国の米" あるいは "スペインの米" という分類がされていた。

 イタリアにおける稲作の最も古い証拠書類となるものは、1468年の日付がされたフィレンツェの書類である。メディチ家の時代にレオナルド・コルトという人物が、稲作の申請書を提出しており、その文章からは既に稲作が知れ渡っていることが伺える。
この事実にも関わらず、稲作の歴史はその根源をミラノ公国とする傾向があり、その理由は社会現象としての大きさに見つけられる。稲作が語られるには、稲作が継続的におこなわれ、大規模なものであり、経済的にもある程度の比重をもたらす状況が必要となる。ミラノ公国時代 の特徴は土地の開墾を始め、米に対しても保護政策を実行したスフォルツァ家にある。この時代に米は外来種としての認識ではなく、国内農業生産の一つの重要な項目として認められるようになった。実際ルネッサンスの時代には、人口増加が引き金となり、農業への投資が促進された。つまり米のような穀物は人々を満足させ得る食べ物となったことを忘れてはいけない。

  稲の種子について言えば、その時期は未だヴェネチアを経由してアジアから入ってきていたものと考えられるのだが、非常に不思議なことにヴェネト州において稲作がなされていたとの資料は何もない。

2.現在におけるイタリアの稲作
 ノヴァラ(Novara - Piemonte州)、ヴェルチェリ(Vercelli - Piemonte州)及びパヴィア(Pavia - Lombardia州)を結ぶ場所が、イタリアにおける稲作の黄金の三角地帯と呼ばれ、これらの地域で稲は "金の草" と呼ばれている。

 2008年度統計資料 によると、イタリア全国で約138万9千トンの米が収穫されており、北部の州だけで約136万1千トン、そのうち上記の3箇所合計で約114万1千トンにも達し、北部の州が全国収穫高のうち98%、上記3箇所の街だけでも82%を占めている。

 作付面積で見ても、イタリア全国で22万4千ヘクタール、北部の州だけで22万ヘクタール、3箇所合計で18万4千ヘクタールとなっており、完全な北部集約産業となっている。

上記黄金の三角地帯が稲作地域として発達した理由としては、水や湧き水が豊富であるという土地の特質や、1800年代初頭から始められた稲作に適するように灌漑された水田、特に1863年からわずか3年で完成されたカヴール運河の功績によるものである。

 欧州における米の生産国としてのイタリアは、収穫量第一位であり、フランス、スペイン、ギリシャ、ポルトガルより上位にある。

3.イタリアにおける米の消費
イタリア人一人あたりの米の年間消費量の変遷

  1870年    10キログラム
  1920年    11キログラム
  1940年     8キログラム
  1980年    4.5キログラム

ここ最近は少し増加傾向にあり、5キログラムと言われている。

4.米の種類
 イタリアで栽培されている米は、ほとんど永続的に水没している環境において成長する1年生植物である。オリザ・サティーヴァ(L'Oryza sativa) − これがその学術名であり、二つの種を包括している。一つはジャポニカ米であり、穀粒が丸くイタリアにおいて最も普及しているものであり、もう一つがインディカ米で、穀粒が細く南アジアにおいて最も普及しているものである。この植物はその種類により成長の段階で7〜11の葉を持ち、80〜150cmまでの高さに達する。

  イタリアの米は次の4グループに分けられる。
  ● 共通の、あるいは最初の (Comune o Originario)
  ● やや細い (Semifino)
  ● 細い (Fino)
  ● とても細い (Superfino)

  しかしながらもっと頻繁に使用されるヨーロッパ式分類では、以下に分けられる。
  ● 丸い (Tondo) 長さ5.2ミリまでの米
  ● 普通 (Media) 5.2ミリ〜6ミリ
  ● 長いタイプA (Lungo A) 6ミリ以上でずんぐりした形のもの
  ● 長いタイプB (Lungo B) 6ミリ以上で形が細いもの

 いずれの分類においても、穀粒の大きさを測る検査により決定される。
これらの分類は、米が水分を吸収する時間の長さによるものとも言い換えられる。イタリア式分類のComuneはヨーロッパ式分類のTondoと同じであるが、水分の吸収が早いため12〜13分煮ればよく、ミネストローネや米でできるデザートにしようされる。他の例としては、ヨーロッパ式のMediaは13〜15分煮ることで、リゾットやミネストローネに使用され、Lungoは14〜16分あるいは20分でも煮ることができ、米のサラダによく合うとされている。

5.米の調理方法

 イタリアにおける米の調理方法としては、リゾット(Risotto)や前菜としての米のサラダ(Insalata di riso)が有名であるが、他にも以下のように使用されている。

● 米パスタ (Pasta di riso)
小麦粉の代わりとして米を原料としたパスタ。
  カロリーが普通のパスタと比較してかなり低いため、ダイエットを試みる人によく食べられている。

● 米乳 (Latte di riso)
  米を絞って牛乳の代わりとする飲み物。
  アレルギー等により牛乳を飲めない人に特に飲用されている。コレステロール、動物性脂、グルテンや乳脂ゼロの飲料である。

● 米ビスケット (Biscotti di riso)
  米粉を使用した米のビスケット。
  主にパンに代わるものとして食され、ダイエットを試みる人や、小麦粉アレルギーがある人用に勧められる。

● 米デザート
  主成分として米の抽出物と米粉、他の成分は植物由来のものだけで作られる。
  軽くて栄養があり、特に牛乳アレルギーがある人には最高の代替品となる。
  米のアイスクリームが有名。

● 米パン
  米を原料としたパン。
  小麦粉アレルギーがある人に勧められる。
  現在では多くのパン屋で買うことができる。

パ式のMediaは13〜15分煮ることで、リゾットやミネストローネに使用され、Lungoは14〜16分あるいは20分でも煮ることができ、米のサラダによく合うとされている。

2008年度イタリア米作面積及び収穫高
 
耕作面積(ha)
収穫高(トン)
北部
220,550
1,361,410
中部
297
1,789
南部
3,349
25,728
全国合計
224,196
1,388,927
北部明細
 
 
Piemonte
117,625
709,303
Valle d'Aosta
0
0
Lombardia
93,382
589,699
Liguria
0
0
Trentino-Alto Adige
0
0
Bolzano
0
0
Trento
0
0
Veneto
2,918
17,532
Friuli-Venezia Giulia
0
0
Emilia-Romagna
6,625
44,876
北部合計
220,550
1,361,410
 
中部明細
 
 
Toscana
297
1,789
Umbria
0
0
Marche
0
0
Lazio
0
0
中部合計
297
1,789
 
南部明細
 
 
Abruzzo
0
0
Molise
0
0
Campania
0
0
Puglia
0
0
Basilicata
0
0
Calabria
437
2,616
Sicilia
0
0
Sardegna
2,912
23,112
南部合計
3,349
25,728

 

2008年度収穫高 ベスト3
 
耕作面積(ha)
収穫高(トン)
Pavia (Lombardia州)
78,307
508,477
Vercelli (Piemonte州)
72,554
416,411
Novara (Piemonte州)
33,082
216,353
3地域合計
183,943
1,141,241
2005年度 米の価格
 ブランド名
米作業者価格(ユーロ/1kg)
精米・卸売り価格(ユーロ/1kg)
Arborio
0.37
0.85
Roma
0.34
0.71
S.Andrea
0.31
0.65
Ribe
0.28
0.54
Vialone Nano
0.51
0.95
Padano
0.41
0.74
Originario
0.28
0.45
Parboiled
0.38
0.82
以上

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