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1.イタリアの森林

イタリア各州の森林に関する法律や規則は、立法機関の観点から、各々違うパラメーターが使用されているが、"森林"と呼ばれる場所についての規定は一致しており、面積が5,000m2以上、木の平均的高さが5メートル以上、木々が覆う地表面積が20%以上、横幅が20メートル以上であるものが、"森林"となる。

 人間により伐採される森林は、伐採森(Cedui)及び大木林(Fustaie)の二つに区分される。 伐採森は、定期的(通常10〜30年毎)に伐採される森林であり、伐採後に若芽の萌芽により再生される。 大木森は、少なくとも40〜100年の間隔が置かれて
伐採される森林であり、伐採された木から落ちた種からの成長などにより、森林そのものが再生される。

 イタリアにおいては、森林面積の約三分の一が大木森であり、三分の二が伐採森である。大木森は針葉樹が多く、伐採森は落葉樹や常緑樹、あるいは丘陵地帯や地中海潅木地帯の混在森が多い。
尚、1950年には5百50万ヘクタールであった森林面積は、2000年には1千万ヘクタールにまで増加している。

高山森林

平面森林

地中海潅木森林

河川地帯森林

丘陵地帯森林

山岳森林

イタリア各州の種類別森林面積  (単位:千ヘクタール 1995年度統計)
広葉樹
針葉樹
混在
合計
Piemonte
462
84
92
638
Val d'Asota
8
63
7
78
Lombardia
316
159
131
606
PA Bolzano
13
261
20
294
PA Trento
42
171
99
312
Veneto
164
132
44
340
Friuli VG
142
32
151
325
Liguria
274
36
23
333
E. Romagna
346
9
36
391
Toscana
778
48
124
950
Umbria
298
5
7
310
Marche
186
5
7
198
Lazio
400
8
20
428
Abruzzo
321
20
7
348
Molise
110
2
1
113
Campania
144
3
4
151
Puglia 
93
27
4
124
Basilicata
230
6
0
236
Calabria
270
151
93
514
Sicilia
96
21
18
135
2.イタリアにおける家具材料としての木材
 木材は家具の分野において非常に優れた材料である。木材はその本質的な品質としての抵抗性・強固さ・しなやかさを持ち合わせており、それが故に古来より家具は木材を材料として製作されてきた。

A. イタリア人の木材観
 木材は自然の原料であり、上品で強く、我々が生まれてきたところの大地と我々を、強く結びつけるものである。 家具や家の構造物として木材を家の中で保持することにより、木材の持つ暖かさを楽しみ、その色に感嘆し、何世紀にも渡り壊されることのない関係を創造することができる。 そのため、現在においても木材はその優れた機能性や抵抗性は元より、個人の生活スタイル・趣味・美観の選択の一つとして家の中に存在している。

 木材は多くの種類が存在する。 その木自身の本来の性質により生まれたものや、その木が受けた加工方法により品質が異なる。 それぞれの木材は外観においても機能性においても固有の性格を持ち、異なる保持方法が必要である。

B. 木の組成
 鉱物・窒素     2%
 水素         6%
 酸素        42%
 炭素        50%

C. 木材の利点
 木の種類の違いや、加工方法による違いがあるが、木材により製作された家具の利点には以下のものがある。
● 居心地の良い美しさ、自然さ、暖かみ
● 重さや衝撃に対する抵抗性
● 永続性
● クラッシックな趣な美しさ

D. 木材の欠点
 全て木材により製作された家具を購入すると決めた場合に、非常に重要な点を考慮しなければならない。 それは、木材は生気の無い材料ではない、つまり地面から引き抜かれ、木から切り離された後も木材は生きているということである。 このことは、加工されて家具を製作するために利用されても、木材は気候の違いを感じ取り、吸収してしまうということである。 実際、湿気や熱により木材は膨らむ傾向があり、最終的には割れてしまい、寒さにより木材は縮む傾向があり、縮緬を形成する。

 掃除や特別な保持作業は、家具を長期に渡り変わらないようにするために重要である。 木材は引っかき傷や削摩に敏感であり、人工的な他の材料と比べて確実にコスト高である。

E. 木材の由来 ― エコロジーとしての問題点
 木材は木から由来しているのは明らかであり、つまり森や林に由来している。
木材は材料として人間に常に多く利用、時には乱用されてきたため、森林の伐採は地球全体としての問題となっている。

 木や植物は地球上に住む我々の生活の基礎である。 それらは、我々が吸うための酸素を排出しており、地球上で一番大きな森林が、"地球の肺" と呼ばれていることは偶然ではない。

 森林の乱伐を増加させないために、特に処女林の乱伐を防ぐためにも、購入する家具に使用されている木材が、保護林や処女林から伐採されたものではないことを、確認することが必要である。

 この観点から、販売店で展示されている家具に使用されている木材の由来を調査することは重要である。 家具製作会社が、木材に関する環境証明書を所持していれば安全である。

3.木の分類
 主にその木の固有の堅さにより、以下の三種類に分類される。

A. 柔らかい木(Legni teneri)
柔らかい木は加工が簡単であると同時に、傷付き易い。以下の種類がある。
● モミ 
  家具、よろい戸、ある種の楽器に利用される。
● バルサ
  最も柔らかく軽い木。 模型や浮きに利用される。
● マツ
  はっきりした色で、香りのする木。 モミなどよりは堅く抵抗性があり、柱や木枠などに利用される。

B. 少し堅い木(Legni semiduri)
● クリ
  家具製作や外部構造物に非常に適している。 湿気に強いうえに、弾力性や抵抗性がある。
● サクラ
  密で堅い木材を供給する。 変形しやすく虫に食われやすい。家具製作に多く使用される。
● ブナ
  非常に曲がりやすい性質を持つ。 床や椅子、事務・台所用品に使用される。
● カシ
  柔軟な繊維を持つ。 高級家具に使用される。
● ニレ
  湿気に非常に強く、虫に食われやすい。 生仕上げの家具に使用される。

C. 堅い木(Legni duri)
● アカシア
  加工しやすく湿気に強い。 支柱・梁・階段などの外部構造物に使用される。
● オリーヴ
  非常に堅く密な木材を供給する。 家具、はめ木細工などに使用される。
● トネリコ
  加工しやすい木材を供給する。 家具、上張り板などに使用される。
● チーク
  加工しやすく、船の構造物や床材として使用される。 チーク材で製作された家具は、その淡く綺麗な茶色と堅さにより、一定の信望がある。
● 黒檀
  地球上に存在する中でも、最も貴重な木のひとつ。 この木の主な特色は、水よりも比重が高く、水に浮かばないことである。  高級家具や楽器の一部分として使用される。
● マホガニー
  非常に変形し難い。 家具に多く使用される。

4.加工方法による木材の分類
A. 心材(木塊) (Legno massello)
  心材は "純木" とも呼ばれる。 木の丸太から直接くり抜かれるものであり、貴重で値段も高い。 丸太からくり抜かれ板にされ、熟成期間を置かれ、その後切断され接着剤や釘により組み立てられるように加工される。 このように加工された部材は、その特別な美観を保つために蝋を塗られ、磨かれ、時にはニスを塗られる。
 
 心材の利点としては、
● 堅固さが圧力や張力に対する抵抗性を高める。
● 木の幹のように耐久性がある。
● 暖かみや力強さ、微妙な色合い、自然な木目などにより独特の美観を与える。

 心材の欠点としては、
● 熱と湿気に影響されやすく、時間の経過と共に変形する傾向がある。
● 日光に敏感であり、直射日光に晒されると、時間の経過と共に色が変わる。
● 引っかき傷や衝撃に弱い。

 心材は主に家具の構造物、扉や棚板として使用される。 心材の欠点から、日光を防ぐ処置がしていない限り、外部用の家具材料として使用することは推奨されない。

◆心材の使用例
B. 薄板 (Legno lamellare)
 心材の薄い板により構成されていることから、薄板と呼ばれる。 心材の薄い板が湿気を防ぐために考慮された特別な接着剤により結合され、温度の急変による変形を防ぐようになっている。

 薄板の利点としては、
● 心材と比べてコストが安く、圧力や張力への抵抗性はほとんど同じである。
● 熱や湿気に強く、心材と比べて時間の経過による変形が少ない。
● 強固で耐久性に富む。
● 美観が心材に似ている。

 薄板の欠点としては、
● 日光に敏感であり、オリジナルの色が変わる可能性がある。
● 過度な熱に敏感であり、例えば火から上げたばかりの鍋を置いてはいけない。

◆薄板の使用例
C. 化粧張り合板 (Legno impiallacciato)
 化粧張り合板は、心材あるいは多くの場合金属やプラスティックの薄板、あるいは木屑、木の繊維を土台にして、高級な木の薄板を上に貼り付けたものである。化粧張り合板は古い技術であり、何世紀も前より家具の製作に使用されてきた。この加工方法は、心材と同じ外観を与えながら、コストを安くし変形しにくくすることができる。
◆化粧張り合板の使用例
D. 合板 (Legno tamburato)
 合板は価格が高い木材であり、軽いと同時に抵抗性が高いため高品質な家具に使用される。 合板は薄い板により構成される。 側面はそれぞれ化粧張りされた板で、内部には側面より厚い板が2枚入っており、この2枚の真ん中に木により作られた蜂の巣状の骨組みを持つ。 軽くて強く、取扱いの利便性が高い木材である。


◆合板の使用例
5.木材に関する証明機関
● PEFC ITALIA
  森林保護と木材のトレーサビィリティに関する証明機関。
  www.pefc.it

● ISUTITUTO GIORDANO
  木材の耐久性と化学物質に関する証明機関。
  www.girodano.it

● ICILA
  家具会社の家具製作過程に関する証明機関。
  www.icila.org

● FSC
  木材による製品が、その木材が環境的、社会的、経済的に責任ある管理下にある
  森林から調達されたものか否かを証明する機関。
  www.fsc-italia.it

以上

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